漢詩 思念の詩
沈園を訪ねて
「釵頭鳳」 陸游 の詩 「釵頭鳳」 唐婉の詩
中国、南宋時代の詩人「陸游」は当時北方民族(金)からの侵攻に対して朝廷の軟弱な対応を強く非難した愛国詩人ですが、かたや別れた妻を生涯忘れることが出来ず、妻を想う数々の詩を残した心優しい詩人でも有名です。 その 陸游の故郷、江南地方の紹興 (越の都で紹興酒の産地) に「沈園」 とゆう美しい庭園が有ります。 2年前にその沈園を訪れ、庭園に並び立つ「釵頭鳳」の詩碑に何故か大変感動iしました。 この「釵頭鳳」は私が漢詩を始める動機付けの一つに成った詩でもあります。 陸游については沢山の本が出ていますので省略しますが、20才で唐婉と結婚し、睦まじく愛に満ちた仲でした。しかし姑の邪推により折り合い悪く、姑の意向は絶対的だった当時、結局離縁させられます。数年後 陸游はこの沈園で別れた妻 唐婉と偶然にも再会し、想いを綴った詩がこの 「釵頭鳳」です。やがて唐婉も応えて、全く同形式の相思の詩を陸游に届けます。唐婉は病弱で若くして生涯を閉じましたが、陸游は唐婉を恋偲びつつ85才の生涯を閉じます。
陸游の詩 「錯、錯、錯」「莫、莫、莫」 唐婉の詩 「難、難、難」「瞞、瞞、瞞、」の何れの結句も何とも言えない余韻を感じ、私も二人の心の内を思いつつ創りました。
訪沈園有感
池畔桃花映碧波 池畔の桃花、碧波に映じ。
沈園雙建感傷歌 沈園に双び建つ感傷の歌。
涙痕深刻釵頭鳳 涙痕、深く刻む、釵頭鳳。
唐婉悲愁可奈何 唐婉の悲愁、奈何かすべき。
<(庭園の)池のほとりに咲く桃の花が、美しい碧く澄んだ水に映り。
沈園の庭園に(陸游 唐婉の)悲しい詩が並び建っている。
涙の痕、深く刻む「釵頭鳳」の詩を詠めば。
唐婉の愁い悲しみはどうすることも出来なかっただろうと想いが過ぎる。 >
涙痕 : 涙の痕 沈園(シンエン) : 紹興に在る沈氏の庭園 釵頭鳳 : (鳳のかんざし) 陸游 唐婉の相思の詩
可奈何 (イカンカスベキ): どうにもしょうが無い(どうする事も出来ない)
沈園の庭園に立つ「詩境」の碑
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