趣味

漢詩  中秋の名月

中秋の月に對す

陰暦8月15日は「中秋の名月」で、新暦で今年は10月3日です。
昔から「中秋の名月」にお供え物をして、お月見をする風習が色々有りますが、今でも十五夜の「お月見」の行事が各地で開かれています。
月を観てもの思いに耽るとか、望郷の想い、兎にまつわるお伽話等々、何故か月は人の心をとらえます。中国でも唐の時代に月を詠った有名な詩が沢山有ります。又今から約1300年前、遣唐使の阿倍仲麻呂が留学先の西安から故郷奈良を想う望郷の詩「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出し月かも」は余りにも有名です。猿沢の池の観月の宴で三笠山に上る名月に故郷への思いを馳せて詠いました。

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           天の河と中秋の名月

中秋對月
一天如水漢河流 
 一天、水の如く漢河(カンガ)流れ
三笠山頭白兎浮  三笠の山頭 白兎浮かぶ
泛舫清池耽雅趣  舫(フネ)を清池に泛べて雅趣に耽(フケ)り
今宵望月奈郷愁    今宵 月を望めば郷愁、 奈(イカン)せん

 大空一帯は、水のようで、天の河が流れ。
(奈良の)三笠の山の頭(イタダキ)に名月が浮かぶ。
 舟を美しい(猿沢の)池に泛べて雅やびな観月に耽り。
 今宵の月を望めば、しみじみと故郷が偲ばれる。 

一天: 大空     漢河: 天の河  三笠山頭: 奈良の三笠山のいただき
白兎: 月(名月)    舫: 舟    雅趣:みやびやかな趣  奈郷愁: 故郷への思い

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               ススキと十五夜の月

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漢詩  学友會有感

   Unnkai

                 子供の頃と変わらぬ故郷の朝焼け雲と雲海

今年は50数年振りに小学校の同窓会と中学校の同級会の案内がありまして、懐かしい幼なじみと旧交を温める事が出来ました。誰かが持参したセピア色に変色した写真の 「洟垂れ小僧」「おかっぱ頭」の同級生の姿に当時を振り返りみんなで爆笑の連続の楽しく懐かしい集いでした。
幹事の言葉に「古稀を迎えた記念に同窓会を計画した」との挨拶に、まだまだ 「現役」の気持ちながら、顧みれば半世紀の時の流れは矢の如く、将に     「一炊の夢」を見ている様でした。
当時は今と違って大変な物不足の時代でしたが、反面、先生の教えを素直に聞き、子供心に大きな志を秘め、結果は兎に角それなりに精一杯努力したことが今は懐かしく思い出されます。                                恩師を囲み子供の頃の思い出話を肴に美味しい酒にほろ酔い気分になり、名残尽きない同級会でした。

   祝古稀會学友           (古稀を祝して学友と會す) 
昔年抱志送青春         昔年、志を抱いて青春を送るも。
未遂宿望迎七旬        宿望を未だ遂げざるに七旬を迎える。
圍得恩師舊朋集     恩師を囲いて旧朋の集い。
談今語古酔芳醇     今を談じ古きを語りて、芳醇に酔う。

<昔(学生の頃)、(青雲の)志を抱きつつ青春を送っていたが。
当時の望みが遂げられないまま今日、七十(古稀)を迎える。
(忘れ難き)恩師を囲んで旧い学友と集い(同窓会)。
近況を話し、学生の頃の懐かしい思い出を語り合いながら美味しい酒に酔いしれる。>

昔年、志を抱く: 昔(青雲)立派な徳を修めようと心に抱き    
宿望:  かねてからの望み     七旬: 七十(古稀)    旧朋: 学生の頃の同級生
酔う芳醇: 美味しい酒に酔う

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            懐かしい当時の木造校舎

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漢詩 竹田城 

竹田城(虎臥城)偶感 

            ( 何れの写真も画面上クリックすると写真が拡大出来ます。)

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                    竹田城跡 前方は竹田の町並(本丸跡から望む)

兵庫県北部、但馬の国、竹田 (現、朝来市和田山町竹田) の円山川沿に「竹田城」があります。 川面から標高350メートル余りの虎臥山に聳える古城は「天空の城」、又城郭の縄張りが、虎の臥す形から別名「虎臥城」とも称されています。    この城は応仁の乱で有名な山名持豊(宗全)が築城しましたが、その後 度重なる戦乱により落城し、現在は茨の雑草に埋もれた累々たる櫓石垣だけの城跡です。しかし楼閣が無いのが返って苔むした石垣をクローズアップさせ、往時の治乱興亡を連想させる素晴らしい山城です。   本丸址に登り当時の余韻を感じつつ、、、、

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               本丸跡 遠望   

虎臥城偶感

聳立天空上古城     天空に 聳立す古城に上(ノボレ)ば
往時塁石没榛荊     往時の累石は榛荊(シンケイ)に没す
英雄覇業興亡址     英雄 覇業の 興亡址
虎臥山寥傷客情     虎臥山は寥(リョウ)として、客、情を傷しむ     

天空高く聳え立つ古城(竹田城)に登れば、                  
(楼閣は落城し今は無く)往時の塁塁たる石垣が青々とした茨の雑草に埋もれる。
英雄、(山名持豊)の天下支配の興亡の址、
虎臥山の古跡に立てば(過ぎ去った治乱興亡を思い)空しく心の傷みを感じる。

 古城:竹田城(別名、虎臥城の名で呼ばれる) 
  榛荊:茨の草      英雄 :山名持豊(宗全)
  虎臥山 :竹田城跡の山

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                      本丸え伸びる石段

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              茨の草に覆われる塁々たる櫓石垣

           

             

         

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漢詩  泰山

  泰山偶感

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          霊嶽 泰山の全貌 (麓の泰安市から望む)

中国山東省の泰山は、古くは 岱宗とも呼ばれて「五嶽独尊」と称され、中国の有名な五嶽の中で最も尊く、御霊多き霊嶽として、千古の昔から崇められるています。古くは秦の始皇帝、唐の玄宗皇帝等、歴代皇帝が封禅の儀式の時に祀った碑文が今なお残っています。又現在も人々がお供え物を背負って「蟻の熊野詣」の様に急勾配の石道を延々と登る姿、線香の煙濛々と絶えない祠、数々の磨崖碑文を見て、中国人が泰山に抱く思いに改めて感動しました。頂上に登り、「斉」、「魯」の国に果てしなく連なる山並みを望みながら、 杜甫が「望嶽」の詩で「一覧衆山小」と泰山を称えていますが、将に詩の通り泰山の素晴らしさを感じました。

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  延々と頂上に伸びる登山道   「無字碑文」(始皇帝の碑文と伝えられている)   

  登岱宗霊嶽

岱宗霊嶽白雲前       岱宗の霊嶽は白雲前、
斉魯茫茫翠嶂連      斉、魯 茫茫として翠嶂連なる 。
帝作封禅祀碑誌    帝は封禅を作(な)して 碑誌を祀り、
民祈安泰飃香煙       民は安泰を祈りて香煙を飃(あげ)る。

御霊多き岱宗(泰山)は白雲たなびく雲海に浮かび
(頂に登れば)、 斉の国、魯の国まで果てしなく、青き山並みが連なる。  
(この霊山は古きは)歴代皇帝が封禅の儀式に碑誌(摩崖碑文)を祀り、
衆民は世の安泰を願って参拝が絶えず、祠には香の煙が絶える事無く立ち上る。

岱宗:泰山(中国山東省の山)     霊嶽:御霊多き山     斉、魯:戦国時代の国名
茫茫:広々と果てし無い     封禅 :天子の行う祭り    碑誌 :磨崖碑文

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唐の玄宗皇帝の磨崖碑文(右側)      頂上から斉の山並みを望む

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漢詩 自然詩  梅天閑詠

梅雨の山郷

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           梅天の三岳山

故郷、大江町には(現福知山市大江町)千丈嶽を中心として周囲に美しい山々(大江山連山)が連なっています。これらの山山は春夏秋冬それぞれ違った美しい彩りを添えますが,梅雨の紫陽花の花咲く頃の烟雨に煙る三岳山の姿も、心が和む山里ならではの素晴らしい景色です。

    題   梅天閑詠   

宿雨山郷濛鎖空      宿雨山郷 濛として空を鎖ざし。
西望三嶽暗雲中      西のかた 三嶽を望めば 暗雲の中。
紫陽花発纔忘鬱     紫陽花発いて纔(わずか)に鬱(うつ)を忘れ      閑座煎茶田舎翁         閑座して茶を煎る田舎翁。

< 夜来の雨で山郷は濛々と煙霧に煙り。遠く西の彼方には三嶽の山山が暗雲に浮かんでいる。
(軒先)に咲く、清楚な紫陽花の姿にしばし鬱を忘れて。     庵では、この素晴らしい梅天の 光景を眺めつつ、 翁が閑かに茶を楽しんでいる。>

宿雨 :昨夜からの雨    三嶽: 山の名(三岳山)     閑座 :閑かにす坐る            

煎茶:  お茶を楽しむ

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                             雨後の紫陽花                                 

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漢詩 思念の詩

沈園を訪ねて

                                 
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     「釵頭鳳」 陸游 の詩                「釵頭鳳」  唐婉の詩

中国、南宋時代の詩人「陸游」は当時北方民族(金)からの侵攻に対して朝廷の軟弱な対応を強く非難した愛国詩人ですが、かたや別れた妻を生涯忘れることが出来ず、妻を想う数々の詩を残した心優しい詩人でも有名です。    その 陸游の故郷、江南地方の紹興 (越の都で紹興酒の産地) に「沈園」 とゆう美しい庭園が有ります。 2年前にその沈園を訪れ、庭園に並び立つ「釵頭鳳」の詩碑に何故か大変感動iしました。  この「釵頭鳳」は私が漢詩を始める動機付けの一つに成った詩でもあります。   陸游については沢山の本が出ていますので省略しますが、20才で唐婉と結婚し、睦まじく愛に満ちた仲でした。しかし姑の邪推により折り合い悪く、姑の意向は絶対的だった当時、結局離縁させられます。数年後 陸游はこの沈園で別れた妻 唐婉と偶然にも再会し、想いを綴った詩がこの   「釵頭鳳」です。やがて唐婉も応えて、全く同形式の相思の詩を陸游に届けます。唐婉は病弱で若くして生涯を閉じましたが、陸游は唐婉を恋偲びつつ85才の生涯を閉じます。
陸游の詩 「錯、錯、錯」「莫、莫、莫」  唐婉の詩 「難、難、難」「瞞、瞞、瞞、」の何れの結句も何とも言えない余韻を感じ、私も二人の心の内を思いつつ創りました。

訪沈園有感

池畔桃花映碧波                  池畔の桃花、碧波に映じ。
沈園雙建感傷歌                  沈園に双び建つ感傷の歌。
涙痕深刻釵頭鳳                  涙痕、深く刻む、釵頭鳳。
唐婉悲愁可奈何                  唐婉の悲愁、奈何かすべき。

<(庭園の)池のほとりに咲く桃の花が、美しい碧く澄んだ水に映り。
  沈園の庭園に(陸游 唐婉の)悲しい詩が並び建っている。
  涙の痕、深く刻む「釵頭鳳」の詩を詠めば。
  唐婉の愁い悲しみはどうすることも出来なかっただろうと想いが過ぎる。 >

涙痕  : 涙の痕      沈園(シンエン) : 紹興に在る沈氏の庭園                  釵頭鳳 : (鳳のかんざし) 陸游 唐婉の相思の詩  
可奈何 (イカンカスベキ):  どうにもしょうが無い(どうする事も出来ない)

        沈園の庭園に立つ「詩境」の碑

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漢詩 懐古の詩

吉野山に遊ぶ

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              桜花爛漫

「荒城の月」の詩に有りますが荒れ果てた城に散る桜吹雪は日本文化の象徴の春景色です。
「一目千本、吉野の桜」も日本の櫻の名所として余りにも有名です。その吉野の桜には城ではなく、やはり南朝は後醍醐天皇ゆかりの如意輪寺でなければ似合いません。
何れも桜花爛漫の華やかさと裏腹に、花の散り際の潔さが、世の盛衰を想い起こさせるからではないでしょうか。 吉野に遊び、崩れた土塀、境内の池に散る桜を見ながら往時を偲びつつ、、

      題   春日遊吉野山 

靄靄芳山彩淡紅。             靄靄たる芳山は、淡紅に彩られ。
賞櫻傍谷訪禅宮。          櫻を賞し、谷に傍う禅宮を訪れる。
渓泉冷處花将散。          渓泉、冷やかな處、花将に散らんとし。
荒蘚頽垣古殿空。           荒蘚,頽垣の古殿は空し。

<春の靄たなびく吉野は全山淡紅(櫻)に彩られ。桜を愛で谷ぞいの禅宮を訪れる。渓水、清よく冷やかな処(境内の池)に、今にも花が散らんとし(浮かび)。荒れ果て苔むす、頽れ落ちてた土塀の古殿は空しい。 (南朝の往時を偲ばせる)                                                             
芳山:  吉野山   淡紅 :  淡い (櫻   色)   渓泉冷處: 冷たく清らかな境内の池    荒蘚頽垣: 荒れ苔むす崩れた土塀

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          土塀沿いの櫻(染井吉野)

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漢詩 自然詩 春景色

 春の景色 

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                 奈良公園浮見堂の櫻と三笠山                      
                                             
  
陽春の弥生、 満開の桜の下、何処もかしこも花見客が宴を開いて歓声が響きます。野辺の小道には蝶が舞い、蜂が花を求めて飛び回る。遙か野山は一面霞たなびくのどかな春景色。幼い頃見た故郷の桜の美しさは、瞼に焼き付き忘れることが出来ません。
                                                                                       
     題  春日郊行                         

 櫻花爛漫画橋傍    櫻花爛漫、画橋の傍ら。 

 旧誼親朋酔艶陽   旧誼、親朋艶陽に酔う。

 舞蝶飛蜂春色遍   舞蝶、飛蜂、春色遍し。 

 山川十里採霞揚    山川十里、採霞揚る。   

     
    

<見渡す限り満開の桜、桜、、、絵にかいた様な美しい橋の傍らの桜の下。
 昔馴染み、親しい友達が宴を開いて酔いしれる。  辺りは蝶が舞い、蜂が飛び廻り、
 遙か野山や川面も一面霞たなびく今たけなわの春景色。>

 画橋 :美しい橋    旧誼、親朋 :昔馴染み、親しい朋

 艶陽 :華やかな春の季節   春色遍 :見渡す限りの春景色

 十里 :何処までも   採霞 :美しい春霞

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        満開の染吉野(京都府八幡市背割り公園)

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漢詩 南都の春 

花咲く奈良郊外に遊ぶ

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  春霞に煙る東大寺大仏殿と興福寺五重の塔の遠望 

奈良東大寺二月堂の「お水取」が終わると、南都には春が訪れます。
今年もお水取りと共に斑鳩の野道にはたんぽぽが一輪顔を出し、畑の菜の花が春風にそよぎ、民家の庭先の木木には、桃、梨、色とりどりの花が咲きはじめました。

遠くを望めば春霞に煙る高楼、歴史の重みを感じる素晴らしい春の景色が、訪れる観光客の心を和ませてくれます。

    花時遊奈良郭外

   
芳草青青度恵風    芳草、青青として恵風度る。

桃紅梨白百花叢   桃紅、梨白、百花叢し。

南都郭外賞春好    南都の郭外は春を賞するに好し。

遙望高楼淡靄中    遙に望む高楼は淡靄の中。

<道端の若草が青々と茂り春風になびく。 

民家の庭先には紅い桃、白い梨の花が咲き乱れ。

南都、奈良郊外の美しい春景色は観光には素晴らしい処。

ふと前方を見ると遙か靄の中には五重の塔が微かに浮かんで見える。

(道行く観光客はこの素晴らしい古都の風情に魅了される。)>

  芳草:芳しい若草   南都:奈良    郭外:郊外     淡靄:春かすみ

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       斑鳩 「法輪寺」  ( スケッチ )

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       斑鳩の菜の花畑と 「発起寺」                

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漢詩  梅渓に遊ぶ

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 根雪も解けてもうすぐ春です (福知山市雲原、早春2月山里の雪景色)

  

早春、二月四日は字の通り季節を分ける「節分」 山里では「立春」とは名ばかり、渓川の雪解け水はまだ冷たく、吹く風も頬を刺します。
しかし日差しは日毎に暖かくなり根雪が漸く解け初め、蕗の薹も顔を出し、梅の蕾もふくらみ一輪咲き始めました。
奈良市の梅の名所「月ヶ瀬梅渓」も三月になれば多くの観梅客が訪れまが、早春二月は平地の梅林と違い、まだちらほら咲き、、、、しかし梅の香りに誘われて梢では春の訪れを伝えて、鶯が「ホウホケキョ」と一声歌います。
  
       題  遊梅渓       

渓擁梅林残雪晴。       渓は梅林を擁して  残雪晴る。 
水温氷解草初萌。      水温るみ 氷は解けて 草初めて萌る。  
数枝花發横斜好。      数枝花發ひらく 横斜好し。
黄鳥傳春放一声。      黄鳥春を傳えて 一声を放つ。

<渓一面の梅林も、春の日差しに雪が解け始め。水は温み、氷は解けて野の草も漸く萌え始める。  一輪咲き始めた梅の枝は美しく。  梢の鶯が春を告げて一声を放つ。>

花発  :花開く     横斜好 :梅の枝が美しい         黄鳥 :鶯

   蕾ふくらむ 白梅  紅梅   (2月の月ヶ瀬梅林で)

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漢詩 新春の夜の雪景色 

 夜の雪景色 
                                          
新雪は美しく、清らかさを感じます。しかし同じ雪景色でも時と場所によって随分感じが違います。朝から降りしきる雪は堆く積もり竹の枝も今にも折れんばかりの一面銀世界。  夜には漸く雪も止み、雲間からさす月光に照らされ、簾越に見る庭は凍てつく冷気に包まれ一層明るく、木の枝は青白く輝く雪の花盛り。奥深い新春の夜の雪景色

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    山郷の雪景色(大江町小原田)

 題   夜 雪                           

銀沙三尺玉臺成   銀沙三尺玉臺と成し。

屋外時聴竹折聲    屋外時に聴く竹折の聲びき。

樹照月光六花發   樹は月光に照らされて六花を發き。 

幽庭夜雪隔簾明     幽庭の夜雪、簾を隔て明るし。             
                                                                    
< 降りしきる雪は三尺もうずたかく積もり。 竹林も雪の重みで時に折れる響きが聞こえる(銀世界)。
月光に照らされた枝の雪は満開の花盛り。静かな庭の夜の雪景色は簾越しに昼の様に明るく幽玄の様相  >                                     銀沙: 雪   三尺: 沢山の形容  玉臺成: 玉坐(台)の様に高く積もる   六花: 雪の花     幽庭:閑かで奥深い庭

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漢詩 新春の朝

明けましておめでとう御座います今年も宜しく御願い申し上げます。

新 春          

年の初め元旦の朝は特に寿賀すがしく、周りの景色が何時もと同じでありながらも、どこか違って見える様に感じられるのは昔も今も変わりません。朝日の輝き、梅の香り、昨日の朝と違います。今年も毎朝こんな新鮮な気分で元気に過ごしたいと祈りつつ、、、、、

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            故郷大江山連峰の新雪

 題  新年作 

                     
歳朝雪霽放輝光    歳朝の雪は霽れ輝光を放ち。 

居作仙郷一草堂     居い作す仙郷の一草堂。 

如画横斜今正發    画の如き横斜、 今正に發かんとし。

春風門外早梅香     春風の門外は早や梅の香。

                     
       <元旦の朝、雪もやみ輝かしい初日出。山里の粗末な庵で寿賀すがしい新春を  迎える。絵に描いた様な美しい梅の枝には早、花が咲き始め。春風が芳しい梅の香りを運んでくれる初春の朝景色> 

 雪霽 :雪が晴れ  草堂 : 粗末な家   

 横斜 :斜めに横たはる(梅の枝の形容) 

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写真 紅葉の古寺めぐり 6 芳徳寺

六 芳徳寺

柳生家の菩提寺として、宮本武蔵の大河ドラマでお馴染みの沢庵和尚を開祖とした     [芳徳寺] は、奈良市の東端柳生の里の小高い丘の上に在ります。今も立派な道場も現存し、又本堂には剣豪柳生十兵衛、沢庵和尚の遺品が展示されています。此処の紅葉も美しく、本堂の窓越しに見る境内の紅葉は、深紅に染まり印象的でした。

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         本堂から庭園の紅葉を望む  

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          窓越しに見る紅葉

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写真 紅葉の古寺めぐり 5 円成寺

五  円成寺

奈良東大寺から柳生に通じる柳生街道は、今も所どころ石畳の古道が残っていて,[春の坂道]の当時を想い偲ばせます。[円成寺]はその柳生街道沿いの忍辱山に在ります。池を中心とし「浄土式庭園」は奈良では他に見られない平安時代の趣を伝える名刹で、近くの浄瑠璃寺に勝るとも劣らない素晴らしい庭園です。

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                築島の紅葉

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         回遊式庭園の紅葉

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写真 紅葉の古寺めぐり 4 正暦寺

四 正暦寺

奈良市の南東天理市に接する菩提仙川の渓流に沿って紅葉の名所「正暦寺」が在ります。又この清流の水を使って醸造されたお酒は、「菩提泉酒」と言われ至極上酒で日本清酒発祥の地と伝わっています。渓流沿いのもみじは素晴らしく、特に数寄屋造りの「福寿院客殿」の庭園越しに眺める紅葉は一幅の絵を見る様な美しさです。

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                   境内の紅葉

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          福寿院客殿の庭園     

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        客殿から境内の紅葉を望む

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写真 紅葉の古寺めぐり 3 長谷寺

 三  長谷寺

京都清水寺と並び称される廣い檜舞台が聳える本堂には、御丈3丈3尺の観音さまがお立ちになり、別名「花の御寺」とよばれる観音霊場「長谷寺」は、四季おりおり境内に彩りを添えます。特に春の牡丹と櫻は、長い石段の登廊と共に長谷寺の象徴です。しかし紅葉の季節も初瀬山を紅に染め本堂の舞台から眺める朱色の五重の塔がいっそうが映える季節です。                                              
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       本堂の舞台から五重の搭を望む

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      本堂の舞台から望む境内

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写真 紅葉の古寺めぐり 2 浄瑠璃寺

二  浄瑠璃寺

京都府南山城、当尾の里の「浄瑠璃寺」は別名「九体寺」とも呼ばれ本堂には九体の阿弥陀さまが安置され又、平安時代の貴族が極楽浄土を夢見て通った庭園でも有名です。「阿字池」を中心に東岸(現世)に三重の搭、西岸(彼岸)に寄せ棟造りの瀟洒な本堂を配置した浄土式庭園で、如何にも平安貴族好みの様式の寺院です。紅葉の季節本堂から阿字地越しに眺める三重の搭は、心が洗われる様な光景です

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            三重の塔

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            庭園の祠と紅葉

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          阿字池と三重の搭

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写真 紅葉の古寺めぐり  1 室生寺

紅葉の古寺を訪ねて

今月は漢詩を休み趣を変えて、12月初旬に奈良近郊の紅葉の名所を訪ねた時撮った写真を「紅葉の古寺めぐり」と題して掲載致します。今年は11月初旬、急に冷え込み「紅葉の色づきも美しい」との報道もありましたので、期待しましたが、少し時期が遅かったのでしょうか、思うような写真は撮れず残念でした。

一 室生寺

清流の室生川に架かる太鼓橋を渡るとそこは平安仏教の美術の宝庫「女人高野」と親しまれています「室生寺」の幽深の世界です。奥の院に通じる石段を登れば鬱蒼とした杉の大木の中に佇む「五重の塔」は国宝で、その優美な姿は余りにも有名です。
春の「石楠花」と共に秋の「紅葉」は特に素晴らしく、山紫水明の室生の里を錦に彩ります。

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       室生川に架かる太鼓橋と室生山

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          山門と楓の紅葉

          

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漢詩 自然詩 紅葉の茶席

        紅葉の茶席 

今年は源氏物語千年記の記念の年で、京都、宇治では、源氏物語ゆかりの色々な記念行事が行われた様です。たまたま茶処宇治に在る「黄檗山万福寺」(唐様式の大伽藍で有名な寺院)にスケッチに行った時、源氏物語の行事とは関係ないかも知れませんが、広大な境内のあちこちで茶会が開かれていました。紅葉したもみじの下に設けられた赤毛氈の茶席から立ち上る芳ばしい茶の湯煙と、綺麗どころの姿が大変印象的でした。               

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           楓の紅葉(イメージ)

                 題  楓陰茗話

紅於樹下布毛氈   紅於樹下、に毛氈を布き。

清話閑談作茗筵      清話、閑談、茗筵を作す。

楓蔭囲炉浸風雅     楓蔭に、炉を囲んで風雅に浸れば。

芳香數椀嫋茶煙      芳香、數椀、茶煙嫋かなり。                     

<紅(クレナイ)に色づいた樹の下に毛氈を敷き。 友と語らいの茶席を設ける。楓(紅葉)のもとで茶の風雅を楽しめば。 茶の湯煙がゆらゆらと立ち上り、辺り一面芳しい香りたちこめる>

  紅於樹下: クレナイに彩られた樹の下  茗筵 : 茶席   楓蔭: 楓のもと        芳香: 芳しい香り    嫋: (タオヤカ)茶の湯がゆらゆら立ち上る様

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漢詩 山水詩 洛北の秋

             洛北の秋

古都、京都は春夏秋冬それぞれ美しい景色で訪れる客を迎えてくれます。とりわけ大原、栂尾の秋は紅葉で彩られ、古寺の風情が一層際立つ季節です。                私が訪れた十一月、洛北三千院の境内の杉苔に「落葉したもみじ」が、杉木立から木漏れる夕陽に照らされて青と赤の織りなす色彩は素晴らしい美しさでした。黄昏迫る大原の里に響き度る梵鐘に一層古都の風情を感じました。

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       洛北 大原三千院の紅葉

      題 洛北探秋

錦繍禅庭落葉稠           錦繍の禅庭、落葉稠し。

青苔一面染紅幽           青苔一面、紅に染めて幽たり。

全山韻韻鐘聲度          全山に韻韻として、鐘聲度る

清境黄昏洛北秋          清境の黄昏、洛北の秋

< 錦に彩られた紅葉の境内は、落葉多く。 青々とした苔一面を紅(クレナイ)に染めて、古寺は奥深い風情。   (大原の)山山に響き度る梵鐘の音。   清らかな境内に黄昏迫る、秋の洛北。>

  稠: 多い
  韻韻 :  趣のある響きの様    清境: 清らかな世界(境内) 

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漢詩 懐古詩 宏村

 中国の古村 宏村に遊ぶ

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          宏村「月沼」に映る古代建築                                                                                                

中国は安徽省の古村、宏村は明、清時代に建築された古代建築群で世界自然遺産にもなっています。私が訪ねた中国の古村落の中でも、特に保存も良く、村落の中心に「月沼」の名で有名な円形の池が有ります。その池の周囲に佇む古代建築が水面に映る姿は限りない趣が有り「絵の中の村」として絶賛されています。西洋の遺産は重厚な石造ですが、中国のそれは煉瓦と木造で落ち着いた、また一味違った素晴らしさと歴史の重みを感じます。

           遊 江南宏村

   
江南遊歴興偏幽。    江南遊歴すれば興、偏に幽たり。    

獨坐回懐古寺楼。    獨り坐し懐いを回らす古寺楼 。 

映水荒墟無限趣。   水に映ずる荒墟は無限の趣にして。

吟情促得更何求。    吟情、促し得て更に何をか求めん。

    
< 江南(の古村)に遊べば何処も閑かで奥深き風情で興味が尽きない。独り古い寺楼に佇み往時を偲び想いを回らす。
 (月沼の)水面に映る荒れた古跡は限り無い趣が有り。 詩に詠う情景として、これ以上更に何を求める必要が有ろうか。(是に勝る素晴らしい情景は他にはあり得ない)> 
  吟情: 情景を詠う    促得:詩を詠む気を促す

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    中国安徽省 「宏村」 の光景

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漢詩 自然詩 高士の世界

漢詩 高士の世界 

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         深山(黄山の壑、峰)

仙境の友を尋ねる

唐詩には時の政変に抵抗し俗界を離れ仙境に移り住み、悠々自適で世を過ごす隠者の詩、又仙人の様な高士を尋ねる有名な詩もあります。最近「田舎暮らし」に憧れる記事をよく見かけますが、都会の荒波の中で生活していると、唐の時代でなくとも誰もが一度は,  「晴耕雨読」の隠逸生活の夢を見るのではないでしょうか。そんな夢を想いながら深山に入り仙境の友を尋ねてみました。

                  題   尋友入深山   

        巡廻樵徑入深山。   樵徑を巡廻し深山に入る。   

      萬壑千峰為別寰。   萬壑、千峰は別寰を為し。

     百尺飛泉遠望處。   百尺の飛泉、遠く望む處。 

      到家無友寂柴關。   家に到るも友は無く、柴關は寂たり。

<樵り道を巡り廻りながら奥深い山には入れば。 仙境は美しい渓谷、峰峰が何処までも続く。大きな瀧を遙かに望みながら。漸く友の庵を尋ねてみたものの柴戸は閉ざしたまま、友の気配は無く会うことが出来なかった。>                                                                                                                               

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                      飛泉(黄山の瀧) 

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漢詩 詠史 吉野懐古

  吉野を尋ねて

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            吉野山 塔尾陵 如意輪寺遠望             

 大和の吉野は「一目千本」皆様ご承知の櫻の名所ですが、南朝の舞台としても大変有名な所です。櫻の季節は花見客が押し寄せますが、私が訪れた9月、紅葉にはまだ早く静かでのんびりと史跡を尋ねることが出来ました。       ご存知の通り、足利氏に敗れて京都(北朝)を追われた後醍醐天皇は、  吉野(南朝)に下り京都に帰る夢が果たせないまま失意のうちに崩御され塔尾陵に眠られます。 忠士、楠木正行は如意輪寺に参り、誓いも新たに大阪四條畷に足利氏との決戦に挑みますが、夢は果たせず敗れ去る悲しい歴史を、 松林に閑かに佇む如意輪寺に参り想いを新たに致しました。

          吉野懐古

芳山陵廟冷秋風。  芳山の陵廟、秋風、冷やかに。 

松籟寥寥感不窮。   松籟、寥寥として感、窮まらず。

天子悲愁君否識。   天子の悲愁を君、識るや否や。

南朝忠士夢将空。  南朝の忠士、夢、将に空しからんとす。

< 吉野の塔尾陵に参拝すれば心なしか秋風も冷たく、 松風の音は寂しく聞こえ、在りし日の南朝の想いはつきない。彼の後醍醐天皇の悲しい愁いを知る事が出来るだろうか(いや天子の愁い悲しみは とても推しはかる事は出来ない)、    楠木正行、一行の忠士も天子の夢を果たせず足利に敗れて果て、将に空しいだろうと想いが過ぎる>

  芳山:吉野山  陵廟:陵(後醍醐天皇塔尾陵) 松籟:松風の音 
 寥寥:もの寂しい   天子:天皇(後醍醐天皇)       南朝忠士:楠木正行

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                         如意輪寺                         

                     

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漢詩 自然詩 斑鳩の里

      斑鳩の里で絵画を楽しむ

夕陽に浮かぶ法隆寺五重の塔(スケッチ)P1010057_2    

奈良郊外に住む私は、時々近郊のスケッチに出かけます。西方に雄山、雌山で歴史的にも有名な「二上山」を望む斑鳩の里には法隆寺、法輪寺、法起寺、の「斑鳩三塔」が有ります。俳句にも有りますが、塔を背景に柿の実が色づく秋の斑鳩の里は、長閑な春景色とひと味違った歴史の重みを感じさせる格別な趣が有ります。この日も一日絵を楽しみましたが、二上山の山頂に沈む真っ赤な秋の夕陽に、法隆寺の塔が浮かび上がり、いかにも斑鳩を象徴する素晴らしい景色でした。

                                                                                                    

題  終日楽繪畫 

二上山巓返照紅。    二上の山巓、返照紅いに。

法隆寺塔夕陽中。    法隆寺塔は夕陽の中。

彩毫描畫斑鳩里。     彩毫描畫す斑鳩里。

風景依稀今古同。    風景依稀にして今古同。

<二上山の山頂が、沈む夕陽に紅紅と染まり。法隆寺の五重の塔が、夕焼けに浮かび上がる。今日も斑鳩の里で絵を描きながら。千古の昔と今も変わらない此の素晴らしい景色を眺めつつ、歴史の重さに想いを巡らす。>                        

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漢詩 懐古の詩 長弓寺

   長弓寺を訪ねて 

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                          長弓寺裏参道  

奈良市の西方、生駒市に古禅寺の長弓寺が有ります。周囲は20年ほど前から開発されて住宅地に成りましたが、全山赤松林に囲まれて、住宅の喧騒も無く静かな境内です。私が訪れた9月、行く夏を惜しむかの様な蝉の鳴き声は物悲しく聞こえ、一抹の寂しさと、崩れ落ちた土併に沿って国宝の本堂に通じる裏参道は、歴史の重みと禅宮の雰囲気漂う別世界を感じました。  

               訪長弓寺                   

頽落墻垣清境通。  頽落せる墻垣は清境に通じ。 

残蝉鳴裏訪禅宮。    残蝉鳴裏、禅宮を訪ずれる。

満山緩度鐘声響。   満山に緩く度る鐘声の響き。 

堂上簫閑憶色空。    堂上簫閑として色空を憶う。

<頽れ落ちた土塀は清らかな境内に通じ、 残り蝉が行く夏を惜しむかの様に寂しく鳴く古い禅寺に参る、 満山に鐘の音が静かに響き渡る中、閑かなお堂に上り、過去の色々な出来事に憶い廻らす。>

         

                                             

                                                                                                                                                                                                           

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BLOG開設のご挨拶

BLOG開設のご挨拶
この度blog開設しました。今さら何故?と思われる方も有ると思いますので一言、今迄blogは若い人が楽しむものと、全く関心が無かったのですが(パソコンが苦手な事も有ります)去る7月の同窓会に、友達からblogの話を聞き、面白そうなので始めたところ、以外と楽しく、若い人に人気がある理由が分る様な気がしました。ただ、報道している通り、その扱い方は注意が肝要と思います。さて、blogに何を書き込むか、色々考えたましたが、自分の趣味を書くのが無難と思い、取り敢えず手始めに漢詩を載せる事にしました。
「漢詩に何故興味を持ったか」は プロフィールの欄で簡単に紹介しましたが、私はその中でもやはり象形文字で自然の美しさを表現する事に何か非常に惹かれました。漢詩には色々なジャンルが有りますし、それぞれの良さが有りますので一概に言えませんが、.駆け出しの初心者には自然詩が解り易く感じます。中国の数ある偉大な詩人の中で、陶淵明、王維、柳宗元、孟浩然等いわゆる山水派は私の好きな詩人です。勿論日本にも優れた詩人は多い中、同じ漢詩でも気候、文化の違いがあり、感性の違いに因るのでしょう、日本の漢詩と中国の漢詩は少し違うように感じます。私も、四季豊かな美しい日本の自然を漢詩で詠えるように勉めたいと思っております。漢詩作りを始めてまだ日も浅く、全く自信も有りませんし、読んで頂く方に失笑されることを覚悟しております。ご指導ご批判宜しくお願いいたします。

最後にもう一言                                                 同窓会の席で四国の友人が「毎日ボランティアの観光ガイドで忙しい」と話していましたが、兎に角、心身の健康には何事においても熱中する事が大切に感じます。私も恥ずかしながらブログの開設に孤軍奮闘、暫くは健康で充実した日々が送れそうです。

尚、現在下記の先生に漢詩の指導を御願いしています。

〒737-0075 広島県呉市西畑町10-25   相原英昭 先生 

                                                         tel:0823-23-2862                 

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漢詩 自然詩 中国黄山

  黄山に登る  

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                           黄山の懸崖、奇松 

中国は広大な国土で世界遺産も30ケ所程有ります。日本の自然は周囲が海に囲まれ島国独特の色彩豊かで穏やかな美しさが感じられますが、中国のそれはスケールも大きく、荒涼とした大陸的で日本と又違った美しさがあります。黄山も標高約1900m程の岩山でそれほど高い山ではありませんが、奇松、怪石、雲海、懸崖どれも日本では見られない光景の名山です。

               題  登黄山                            

踏来石徑上黄山。   石徑を踏み来りて黄山に上る。

如黛峰巓雲住還。    黛の如き峰巓に雲、住還す。

幽壑懸崖為萬仭。    幽壑の懸崖、萬仭と為し。

眼前絶景正仙寰。    眼前の絶景、正に仙寰たり。

<はるばる石道を辿り黄山に登れば、墨色の峰峰は雲海に浮かび、  幽玄な谷に懸かる崖は萬仭の高さ。 此の目の前の素晴らしい景色は正に神仙の世界>

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漢詩 自然詩 中国江南

 屯渓の黄昏

                                                 Tonnkei

                           屯渓の夕陽        

安徽省の屯渓老街は宋時代に築かれた歴史有る商店街で近くには「新安江」の大河が流れています。訪れた時は時既に日が沈む間際でした。 遙か遠方には黛色の連山、手前の大河は夕陽に紅く染まり、その夕陽の中に孤舟の漁師が網を投ずるシルエットが浮かび上がる、いかにも大陸中国の素晴らしい光景に出会い、思わずシャターを切りました。

        

 題  屯渓黄昏   

天邊萬里大河流。   天邊萬里、大河流れる   

投網漁舟落照浮。     網を投ず漁舟、落照に浮び

連嶽隔江色如鐵。   連嶽は江を隔て色、鐵の如くにして   

絶佳畫景可吟眸。      絶佳の畫景、吟眸可なり

<天までも大河は果てしなく流れ、網を投げる漁舟が夕日に浮かぶ、 紅く染まる大河を隔てた遥かな連山は墨で掃いたように鉄の色、この絵の様な絶景は正に詩情の世界>

 

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漢詩 自然詩 中国江南

中国江南の旅

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          江南 紹興の運河                    

中国江南地方には有名な水郷地帯が沢山有りますが、紹興もその一つです。運河の両岸は何処までも青々とした垂れ柳が続き、私が尋ねた6月、煙霧の中に、霞んで見える柳と運河をのんびりと行き交う小舟の光景が、かって想像していた中国の景色と重ね合い大変印象的でした。                       

         

               題  梅天渡江 

                  
晝昏累日雨如煙。     晝は昏うして累日雨、煙の如く 

一帯濛濛水接天。       一帯濛濛とし水、天に接す

含涙色濃垂柳緑。      涙を含み色は濃やかなり垂柳の緑

櫓聲細細渡江船。        櫓聲、細細とし江を渡るの船 
                                             
<昼も暗く終日煙雨が降りしきり、一帯 濛々として水面と空が見分けつかぬほど接する。 岸の垂れ柳は雨に濡れて涙の様に緑一層こまやかで、水郷を渡る小舟の姿は煙雨にけむり、櫓聲だけが微かに響きわたる。>                  

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漢詩 自然詩 花

  柳生の蓮花 

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                    蓮池の白蓮                                       

奈良市の東端に剣豪柳生十兵衛で有名な柳生の里が有ります。毎年梅雨の6月になると菖蒲園の菖蒲が白、紫、黄、赤等等、咲き競います。今年も6月の中旬期待し行きましたが、残念ながら例年の様な美しい菖蒲を見ることが出来ませんでした。仕方なく諦めて茶店に入り一休み、何気なく蓮池に目をやると、真っ白でたった今、咲いたばかりかと想われる小さな蓮が1輪咲いていました。、、梅雨の小雨に濡れた垂れ柳を背景にそれは清楚で大変美しい姿でした。   その姿を見ていると、中国のその昔、春秋時代越の美女、西施を思いだし1首詠みました。                                                                                                                                                            

題      池亭観蓮                                                                                          

雲気空濛雨到時。    雲気空濛として雨到るの時, 

池亭両岸柳條垂。    池亭の両岸柳條垂れる, 

新妝白藕如西子。    新妝の白藕は西子の如くにし      

香散花開絶世姿。    香を散じ花開くは絶世の姿

 
( 雲は濛々として折から雨模様の気配、蓮池の茶店の周囲のしだれ柳は雨に濡れて静かに垂れている、咲き始めた(新たに化粧した)白い蓮は西子の様に可憐で美しく、香りを散じ花 開く姿は例えようも無く美しい。)
     新妝      : 新たに装う      白藕  :白い蓮
       西子(施) : 中国春秋時代の越の美女

        

                                                                                                               

 

                                       

    

  

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漢詩 自然詩 故郷

     故郷の桃源郷

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             大江町小原田の朝靄

中国は東晋の詩人陶淵明の作に、秦の乱を逃れた人々が山深き仙境に移住み、その子孫が暮らす平和で裕福な桃の花咲く理想郷、武陵源の桃源郷を描いた、「桃花源記」が有りますが、私達の故郷にも平家の落人が移り住んだと伝えられる青山渓谷に抱かれた弧村が有ります。昨年私は中国福建省に在る客家土楼(土をつき固めて作った共同住宅)の仙境を尋ねました。この村もやはり秦の時代以降北から攻め入る北方民族による戦乱を逃れて黄河流域の漢族が移り住んだ村と伝えられています。訪れたときは、春の真っ盛り、山は何処までも新緑で渓谷の水は清く、円形の土楼が周囲の青さに映えて素晴らしい景色でした。今春、今は過疎の村となりました故郷大江町の北原、小原田、橋谷など「日本の故郷の原形」の様な美しい景色の山村を訪れ、陶淵明の「桃源郷」を想いながら漢詩を一首作りました。

                題    春日野望


青山連続抱弧村。    
青山は連続して、弧村を抱き。

南杏北桃花満原。    南杏北桃花、原に満つ。

犬睡鶏鳴春日穏。     犬は睡り鶏は鳴き春日穏やかにして。 

景光恰似武陵源。      景光恰も似たり武陵源か。

(青き山々は連続して弧村を抱き、村にはあちこち美しい杏や桃の花が咲き乱れる,静かな山村では、穏やかな日差しに犬は心地よく睡り、鶏は鳴く、この平和な春景色を見ていると、あたかも武陵源の桃源郷かと思う程素晴らしい。)

武陵源:湖南省の景勝地(桃源郷のモデル)

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   中国福建省永定の 「客家土楼」 集落

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