漢詩

漢詩  初春

ここ数年故郷で新年を迎えていましたが、今年は孫達が来ましたので賑やかな正月を奈良の我が家で過ごしました。 故郷(福知山市大江町)は大晦日から元旦にかけて大変な雪降りで一面銀世界の正月だった様ですが、奈良は晴天に恵まれ穏やかな新年でした。
漢詩を創り始めて2年余になります。毎回思うように出来ず拙作ばかりで皆様はさぞ失笑のことと思いますが今年も宜しくお付き合い下さい。今回は初春をテーマにして詠いました

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      早春 白梅の小枝にやどる小鳥

             初春偶成


歳旦風和春色開     歳旦 風、和らいで 春色開き

南窓已看發芳梅   南窓 已に看る芳梅の發くを 

京城士女逢佳節     京城の士女 佳節に逢い

客到共傾祝椒杯   客、到たりて共に傾く祝椒の杯

元旦の風は和らぎようやく春めき。                                     

南の窓辺の梅は、はや芳しい蕾が綻び始めた。 

都(町)の人々は目出度く お正月を迎えて。                                    
                                                                 今年一年の無事を願い、祝いの杯を傾ける。

 

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山水詩 晩秋の東北

先月十数年振りに東北地方の秋田、青森に紅葉を尋ねる旅に出かけました。
前回は駆け足の団体旅行でしたが今回は家族だけの勝手気儘な旅で、八戸でレンタカーを借りて東北の観光地を周遊しました。       幸い快晴無風の晴天に恵まれ、特に八甲田山麓と奥入瀬は古都の、奈良 京都の紅葉とは又違った関西には見られない素晴らしい晩秋の景色を満喫する事が出来ました。

八甲田山麓の秋景色

 八甲田山麓では、静寂なブナ林で聞く野鳥の囀、路無き路を敷き詰めた落葉の素晴らしい景色、 又 原生林奥深くに位置し 明治時代に活躍した文人 「桂月」 がこよなく愛して度々訪れたと伝えられる、清らかな 「蔦沼」 に映るブナの美林が夕陽に照らされ輝く光景は、神秘的な美しさをも感じました。

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           ブナ原生林の落葉

    秋 興            

映水揺林照落暉       水に 映ずる揺林は落暉に照らされ。 

染将苔径錦葉飛          苔径を染めて錦葉飛ぶ。

鳥聲微聴深山路           鳥聲 微に聴ゆる深山の路

秋興無窮憺忘帰           秋興 窮り無く、憺(タン)として、帰を忘れる。

水に映る樹林は夕陽に照らされ美しく。    苔むす小径は錦の葉(落葉)が飛び散る。
微かな鳥の囀りを聴きながら閑かな深山を行けば。 
秋の美しい景色に見とれ心が和み、帰ることも忘れさせる程素晴らしい。

揺林:(水に映り)揺れる樹林   落暉:夕陽        苔路:苔むす小径        
秋興:秋景色に寄せる思い   憺:心が和み落ち着く

                       

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       「蔦沼」に映るブナの美林

奥入瀬渓谷の紅葉

奥入瀬渓谷では散策路の橋のほとりから望む紅葉、真白く輝く谷川が苔むした石を洗ながら、散りゆくモミジを漂わせて流れる渓谷の素晴らしい景色を眺め、名残尽きない東北の旅でした。

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       苔むす石を洗う渓川

    清渓観楓

過山渡澗立橋頭         山を過ぎ澗を渡たり橋頭に立てば。

崿瓊柯黄葉稠         崿 (ガケ)に懸かる瓊柯(ケイカ)は黄葉稠(シゲ)し。

如練渓川 碧石       練の如き渓川は碧石(ヘキセキ)を (アラ)い。

落楓片片泛紅流         落楓 片片(ヘンペン)と紅を泛べて流れる。

山を過ぎ、谷川を渡たり橋のほとりに立ち、ふと前方を見れば。
深い谷の岩に懸かる美しい樹の枝は、黄葉(紅葉)に色づき。
真っ白い練り絹の様な谷川は、苔むした石を洗いながら。
落葉したモミジを浮かび漂わせて、何処までも流れる。

澗:谷川  懸崿:崖に懸かる  瓊柯:美しい木の枝  稠:多い 
如練:(白く)練り絹のような    :洗う   碧石:青緑色の石 (苔むした)    
片片: 漂うさま

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        夕陽に照らされ紅葉に染まる渓谷

    

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